『金色の花』

小さな国に4人の王子がおりました。
「豊かな国にしよう」
と約束し領土を4つに分けました。
上の兄3人たちは自分の気に入った土地を選んだけれど
末弟には痩せた土地しか残っていませんでした。
4番目の弟はそれでも嬉しかったのです。
小さい自分も仲間に入れてもらえたこと。
「4人で協力して国を治めよ」
愛する父王の残した言葉を守ることができるのです。
末弟は小さな国の4番目の王となって
お后様と一緒に毎日土地を耕しました。
小さな国の小さな土地ですから
王様もお后様も泥まみれで働くのです。
痩せた土地も手入れしだいで少しずつ肥えてゆきます。
4番目の王の素直な人柄は手助けせずにはおれないと
通りすがりの旅人が豊かな土地になる方法を伝授してくれたり
不思議な肥料を分けてくれました。
「豊かな国」という言葉は難しいです。
近隣諸国を圧倒する力が欲しいと
兄たちは「金の花」を栽培することにしました。
金の花は魅力的です。
眩しい輝きは王者にふさわしい美しさです。
「この国全部を金色にしよう!」
日当たりや水はけのいい
自分の気に入った土地を選んだ兄たちは
順調に成果をあげて金色の花を咲かせてゆきました。
末弟の4番目の王は貧しい土地に苦労しながら
なんとか金色に近い黄色い花々を咲かせています。
兄たちは黄色い花など見苦しいと
蕾を踏みつけては弟王をののしりました。
弟王の知らないうちに兄たちは話し合いました。
「あいつの土地をとりあげて我々で金の花を咲かせよう」
貧しかった土地もたくさんの黄色の花咲く
豊かな国になりつつありました。
そんな努力も誠意も「金色」の魔力の前では
輝かないのでしょうか。
弟王は兄たちに追い払われてしまいました。
心優しく素直な弟王は兄たちに
裏切られ哀しい仕打ちを受けたのに
恨み言も愚痴もこぼしませんでした。
彼の側で苦楽をともにしてきたお后様は
「心優しいあなただからこそ、わたしはともにあるのです」
そういって目に涙をあふれさせました。
国の外から眺めると
金色の花畑が輝いて見えます。
弟王の黄色の花たちも夕日に照らされ眩しい輝きです。
涙で潤んだ目にはこの世のものとは思えない美しさに映っています。
「金に負けない色ですね」
お后様がつぶやきました。
「もちろんそうだよ!
たった一色だけがすべてではないよ
一から始めて黄色になった。いろんな色が輝ける世界
ぼくの国には色とりどりの花を咲かせよう」
どんな貧しい土地でも豊かにできる力をつけた弟王は
この後、兄たちに負けない素晴らしい王国を築くことができました。
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